こんにちは。北陸の食パンです。
今回は、前々から行きたかった懐かしの列車にあいに、遠く熊本のあるところまで訪問しに行きました。
その列車は、引退してから地域のあるものに使われています。それは、いったい何に使われているのでしょうか?
もったいぶるのも何なので、早速本題に入っていきましょう。
というわけで、ついに念願であったブルートレインたらぎにやってまいりました。
車両の早期腐食防止のために、屋根が付いております。(JR九州の譲渡条件に応じた格好)
写真をよく見ると3両連結されているのがお分かり頂けると思います。
こちらが、ブルートレインたらぎの看板です。
方角的には東京は逆方向なんですが、鉄路的基準から見れば、間違ってはいませんw
ブルートレインたらぎの先頭車。オハネフ14-3を真正面から撮ってみました。
基本的に、テールマークは「はやぶさ」で固定されているようです。
久々に間近で見ると、懐かしさを覚えました。
入り口は2号車のドアになります。
ドアは自動では開きませんので、手で開けましょう。そして、出入りの後は必ず閉めましょう。
ちなみに、写真左の柱に、呼び鈴がついていますが、これは深夜早朝に出入りする際に使います。
目次
ブルートレインたらぎ車両内部の紹介
共通スペース(オハネ15 6)
まずは、ブルートレインたらぎ宿泊者の交流の場、そして地元民の憩いの場となっている共通スペースの紹介から入ります。
ブルートレインたらぎのフロントは、この車両内にあります。また、ブルートレインたらぎにおける飲食は、この共通スペースに限られています。(宿泊車両内では飲食が一切禁じられています)
2号車の入り口を入り、右の扉をあけると、共通スペースに入ります。
共通スペースには、3人掛けのベンチシートが10組(30名分)に、テーブルが5か所設置されています。
さらに、通路わきにある折り畳み式椅子にも座ることができます。
現役時代は、写真を見て、左側が通路、右側が寝台スペースになっていました。(奥側をよく見るとおわかりいただけると思います)
ベンチシートに座って、テレビがある方向を撮影したものです。
撮影した時は、まだ人がそんなにいなかったのでゆっくりできましたが、夜は宿泊者の人でにぎわうのがこの共通スペースです。
わいがここに宿泊した時は、夜ここで酒を飲みながら、つまみを食っていましたw
ベンチシートには、現役時代に使われていたシートモケットを使用しております。昔は、座布団がなかったようですが、わいが来たときは、座布団がおかれてました。
入り口側にテレビが設置されており、その下に、新聞やごみ箱がおかれています。
ベンチシートのところにあるテーブルにはポスターなどがあるほか、宿泊者が残したメモ紙やお子様が書いた絵なども展示されていました。
ブルートレインたらぎには、電気ポット・冷水器・電子レンジの備え付けがあります。
コーヒーを飲む際は100円をフロントの管理人に払うことで飲むことができます。
これらの備え付け品の奥にフロントがあり、チェックイン・チェックアウト時は必ずそこによることとなります。宿泊料金は前金制で、現金払いのみです。
フロントのところには、スリッパなどの小物や、グッズなどが売っていました。
そういえば、冷水器・電子レンジの下に何かありますねえ? この正体は後程明かすことにいたしましょう。
開放B寝台(スハネフ14-3)
次に、宿泊部屋の一つである昔懐かしい開放B寝台を見ていくことにしましょう。グループで来られる方にお勧めの客室です。
数年前までは普通に走っていたブルートレインも、今では過去帳入りしてしまいました。よって、この開放B寝台に泊まれるのも、このブルートレインたらぎとブルートレイン日本海(現在、台風の影響で営業休止中)のみとなっています。
今のご時世、1人でここを利用すると、他人と一緒の環境になって居心地が悪く感じられるかもしれませんが、昔ながらの寝台を楽しむなら、この開放B寝台を選ぶといいでしょう。
開放B寝台の入り口から撮影したものです。
左側に寝台が30床(4人用7か所+2人用1か所)並んでいます。通路側の窓下には、折り畳み式の椅子があります。
開放B寝台の全容を写すのは、なかなか難しいのでアレですが、4人用の寝台の様子がこちらです。
寝るときは、カーテンを閉めて寝る仕組みになっています。カーテンを閉めた後の寝台は、意外にも結構暗いので、光が漏れることもほとんどないと記憶しています。
先ほどもご紹介しましたが、通路側の窓下には、折り畳み式の椅子があり、今でも使うことができます。B寝台に乗った時に何度か座ったことがありますので、懐かしさを覚えました。
下段寝台のベッド下には転落防止用の折り畳み式の安全柵があります。引き出した状態を撮影するのを忘れてしまいましたね・・・。
窓側に、栓抜き付きのテーブルと、上段寝台に登るための折り畳み式ハシゴがあります。
そして、テーブル下にはコンセントが取り付けられています。コンセントは、このブルートレインたらぎにきてから取り付けられたもので、現役時代は当然にしてなかったものです。
下段寝台のみですが、通路側に折り畳み式のテーブルが備え付けられています。
ベッドの壁にある寝台灯は、ブルートレインたらぎとなった今でも現役です。自分の部屋のベッドわきにつけてみたい・・・。
下段寝台をアップめに写してみました。えもんかけも備え付けられているのがおわかりいただけるでしょうか?
下段寝台は、一部のブルートレインで、立席特急券および指定席特急券を購入することにより、座って乗ることもできる仕組みになっていました。一応、下段寝台1つにつき3人座ることができたようです。
上段寝台の様子です。ブルートレインが現役で走っていたころ、B寝台開放に乗った時は、だいたい上段寝台にいましたw
上段寝台から天井に向かって、平べったい紐みたいなものがのびていますが、これは下段寝台の折り畳み式安全柵と同じ役目を果たしています。つまり、転落防止用に設置されているものです。
なお、子連れのグループがいらっしゃったら、お子様を上段寝台に寝かせるのはやめておきましょう。落ちたら本当にシャレになりませんので・・・。
上段寝台の通路側に荷物置き場があります。そこそこ広いので、大きい荷物を持ってきても安心です。
B寝台個室 ソロ(オハネ15-2003)
現役時代は、真っ先にほぼ満席になったB個室寝台 ソロですが、この「ブルートレインたらぎ」に舞台を移してからも、この個室から埋まる傾向にあるようです。(とはいっても、閑散期はそこそこすいてますが・・・)
個室は全部で18室(上段・下段各9室)で、枕木方向にベッドがあるタイプになります。このタイプは、ソロの中でも初期タイプに分類され、秋田にある「ブルートレインあけぼの」のB個室寝台 ソロに比べて部屋数は少ないものの、室内はそこそこゆとりがあるのが特徴です。
かつて北斗星として走っていたJR北海道車両のB個室寝台 ソロについても、この「ブルートレインたらぎ」のソロ車両とほぼ同じタイプが使用されていました。
B個室寝台 ソロの通路の様子がこちらです。現役時代とまったく変わりません。右側に個室のドアが連なっています。引き戸になっているのが上段個室で、普通のドアになっているのが下段個室です。
ブルートレインたらぎ営業当初は、法律の関係上、ドアを撤去し、カーテンを仕切り代わりにしていたそうですが、のちに法律に対応するようにした結果、現役時代と同じようにドアが復活しました。
まずは、下段個室をご覧頂きましょう。
部屋の大まかなイメージとして、ドアを開けると右側にベッドがあり、奥側にテーブルなどがあります。そして、寝具のセットが窓側においてあります。窓の上には、絵が貼ってあります。この絵は、現役時代と同じものが使用されています。絵は、各個室で異なっています。
また、ベッド上に電気のスイッチがあります。なお、電気のスイッチ周辺が張り出していますが、これは上段個室のベッドがあるためです。
ちなみに、下段個室内におけるベッド前の通路は、よほど背が高くなければ、一応直立することができます。
ベッド部分を撮影してみました。
モケットはJR九州特有の黒ベースの派手な柄になっています。ど派手な列車のイメージが強いJR九州ですけれども、伝統のブルートレインでもど派手を決めてますねw
このソロ個室には、折り畳み式のひじ掛けがあり、座席としても使うことができます。
一応、座席状態で3人座ることができるみたいですが、おそらく座席状態として個室を供用した例はないと思われます。
先ほどの個室内全体写真では、写せなかった窓際の部分を撮影したものです。
テーブルが2つあるのがおわかりいただけるでしょうか。窓際のこのあたりは、思ったよりもそこそこ機能性に富んだ設備がいろいろとあります。
照明・空調・時計などのコントロールパネルと読書灯です。
現役時代は、普通に使えたこれらの設備も、ブルートレインたらぎになってからは、メンテナンスなどの都合により使うことができなくなりました。あくまで、オブジェとして楽しみましょう。
読書灯については、個室によりカバーの色が多少違うようです。
読書灯のふたをあけるとこんな感じということで、写真に残しておきます。
ベッド横の固定テーブル周りの様子です。コンセントは、ブルートレインたらぎの営業を開始してから後付けされたもので、現役時代には付けられていませんでした。
テーブル下にくずもの入れがあります。現役時代は当たり前のように使えたこの設備も、今では封鎖されており、使うことができません。ゴミは共通スペースに設置してあるごみ箱に捨てましょう。
そして、壁には鏡と折り畳みテーブルが設置されております。
折り畳みテーブルは今でも現役で使用できます。ただし、客室内での飲食は一切禁止なのであしからず。
テーブルの片隅には、現役時代において、トイレ使用中であることを表示するランプがついていました。
もちろん、今は光りもしませんが、現役時代を知る上での貴重な設備として各個室に残されています。
下段個室のみ入り口横に大きめの覗き窓があります。これは、個室から通路側の車窓を見渡せるための設備として取り付けられています。
寝るときや、個室内を見られたくないときはカーテンを閉めることにより遮蔽できます。
下段個室の入り口上部には荷物置き場があるのですが・・・。
どう見ても、高いですよね。身長の高い人ならまだいいですが、低い人はつらいんじゃないですかねえ・・・。
そんなときでも、心配ご無用。実はベッドの下に、踏み台があるのです。これを使えば、背が低くても、あの棚に荷物をおくことができますね。(さすがに子供だとつらいですけどw)
もちろん、現役時代とまったく同じものがおいてあります。これを見つけたときは思わずうなりましたね。
テーブルの下には蹴りこみスペースも設置されており、足をのばすことができるような工夫がなされています。
そして、下段個室のみ転落防止用の安全柵もあります。現役時代と違って動かないので、そうそう使うことはないでしょうが、当時の雰囲気を味わいたければ、あえて出すのも一興かもしれませんね。
きれいにやろうと努力しても、きれいにできませんでした・・・。
備え付けの寝具は、枕・シーツ・布団があります。枕以外は寝るときにすべて自分でセットする必要があります。
シーツは縮んでるものに当たった場合、ベッドにセットするのも一苦労なので要注意です。
冬場のときに寒ければ、あったかい毛布を借りることができます(管理人に申告の必要あり)
さて、もう一つの上段個室を覗いてみましょう。
階段を3段ほどあがるとベッドにたどり着けます。階段付近では、よっぽど背が高い人でない限り、かろうじて直立できますが、階段を上がったら、かがまないといけません。
上段個室のベッドは、折り畳みの転落防止用の安全柵の代わりに、ダイヤモンドの絵柄がかかれた仕切りがその役目を果たしています。
そして、窓を見てみると、車両の屋根に合わせて湾曲しているのがおわかりいただけるでしょうか?
上段個室の設備は、下段個室とほぼ変わらないので、設備面の説明は省略します。
ただし、唯一下段個室と違う点は、後付けのコンセントが設置されていないということです。そのため、基本的には下段個室から先に埋まります。(最初から上段個室がよければ予約時に言えば、応じてくれるそうです)
上段個室にも下段個室と同じく、折り畳み式のひじ掛けがあります。なお、上段個室は仕切りと階段があるため、実質一人しか座れません。まあ、もともと一人用個室ですからまったく問題はありませんがw
上段個室にも荷物棚がありますが、個室により当たり外れが大きいようです。
大荷物でここにやってきて、この写真のような荷物棚に当たったら、目も当てられません。車でやってきたならまだいいですけれども・・・。
別の上段個室の荷物棚を撮影してみました。こちらはそれなりに広いですね。さらに荷物棚の上部に窓がついています。
この窓ですが、当然現役時代にはなかったものです。
個室に泊まる場合は、このようなカギが渡されます。現役時代と同じ物か否かはよくわかりませんが・・・。(一応、現役時代もこういう鍵式であった)
外出時はフロントに預ける仕組みになっています。
ブルートレインたらぎ周辺施設などの紹介
ここでは、ブルートレインたらぎに泊まった際に、ほぼほぼお世話になると思われる周辺施設などを紹介していきます。
ブルートレインたらぎのそばにある交差点の向かい側には、多良木町ふれあい交流センターえびすの湯という施設があり、お風呂はそこに行けばOKです。
入館料は宿泊料金に含まれているので、1回はいるだけなら実質無料です。(家族風呂・特別休憩室利用時は別途料金必要)
なお、えびすの湯は、毎月第2火曜日(ただし、当該日が祝祭日の場合はその翌日)が休館日なので、該当日にブルートレインたらぎを利用する方は注意してください。
ちなみに、フロントでチェックインすると、こういう券がもらえますので、なくさないようにご注意ください。えびすの湯の受付にこれを提出すればOKです。
多良木駅の向かい側には、「えびす物産館」というところがあり、当地のお土産などを買うことができます。
そして、写真に写っている方向に徒歩2~3分ほど歩くと、国道219号にぶつかります。外で飲食される際や、買い出しに行かれる際は、国道の方向に歩いてみましょう。
てか、指が写ってしまう残念写真になってしまった・・・。
国道219号に出ると、コンビニやスーパー(you meマート)があるほか、(ほとんど自営業タイプの店ですが)多少の飲食店が点在しています。
多良木駅周辺は、個人営業の飲み屋(スナックなど)が多い印象を受けました。もっとも、買い出しに行ったのが夕方ですので、やってるかどうかすらわかりませんでしたがw
わいは、you meマートに行って、酒やつまみなどを購入していきました。一通り店内を見まわしましたが、品ぞろえもそこそこよかったので、飲食物の調達には困らなそうです。
ブルートレインたらぎに宿泊した翌朝は、オプションの朝食パンをいただきました。パンは、多良木町内にある「パンとお菓子の工房 ナチュラル」というパン屋で作られたものだそうで、4個入りで200円となっています。
朝食パンの注文は、パン屋にオーダーしている関係上、3日前までに予約する必要があります。
なかなかおいしかったので、次にブルートレインたらぎに宿泊する際も注文したいと思いました。
ただし、パン屋の店休日である日曜日と水曜日(水曜日が祝日の場合は、木曜日が店休日)の翌朝(つまり、月曜日と木曜日の朝。水曜日が祝日の場合は、金曜日の朝)は、朝食パンのオプションがないため、各自で用意する必要があります。(2018年9月から月曜日の朝食も用意できなくなってしまったようです)
ちなみに、昔は600円の弁当だった時代もあったそうです。
ブルートレインたらぎに泊まるのがさらに楽しくなる!?
先ほどまでは、ブルートレインたらぎの宿泊に必要な最低限の情報を提供してまいりましたが、ここからは、ブルートレインたらぎに泊まるのがもっと楽しくなる見どころを紹介していきます。
ブルートレインの乗務員室が見学できる!
実は、このブルートレインたらぎでは、ブルートレインの乗務員室を見学できるのです。
見学の際は、フロントにいるスタッフに声をかけてください。そうすると、乗務員室のカギを開けてもらえ、見学することが可能です。
まずは、乗務員室を覗く前に、オハネフの先頭部を車内からご覧いただきましょう。
テールマークを回すことができそうな感じがしますが、破損防止のため禁止されています。むやみに触れないように…。
ブルートレインの乗務員室は2箇所あり、左側と右側、両方に設置されています。
まずは、左側の乗務員室をご覧いただきましょう。
こちら側は、「業務用室」が正式名称ではありますが、ここでは乗務員室とひとくくりにしてしまいます。
さあ、ここから細かいところを見ていきましょう。
まず、目に付いたのは、放送装置です。配線が切られているので、放送や、車内チャイムを流すことができませんけれども、ここまできれいな状態で保存されていると、今でも動かせそうな気がしますよね。
連絡電話(おそらく)と仕業表差しでしょうか? 実際のブルトレ現役時代に乗務員室を覗いたことがないので、間違ってたらすみません・・・。
これは・・・。何かのブレーカーと思われますが、いったい何でしょうかね?
扉上にはヒューズ盤と客用扉がすべて閉まったことを示すランプが並んでいました。左側のヒューズ盤は一体なんのやつなんでしょうかね?
ドアスイッチを撮影してみました。電車についているものとは違って、独特な形状のドアスイッチになっています。
なお、ドアスイッチを操作しようとしましたが、動きませんでした。(当たり前か)
振り返ると、電気や空調を司る配電盤がありました。
その上には、行き先を表示する方向幕の指令器と、横に配電盤がありました。
車内で火災が発生した場合に備え、火災検知器も装備していたようです。
逆側の乗務員室を覗きましょう。
前側に手回し式のブレーキと赤い懐中電灯のようなものがあります。赤い懐中電灯は、おそらくテールライトの代わりに使うものと推測されます。
奥に写っている窓は、開閉可能です。
奥を見てみると、ドアスイッチと折り畳み椅子がありました。先ほどの業務用室に比べると簡素な設備しかなく、おまけに狭そうな印象を受けます。
上に目をやると、メガホンや、非常用ブレーキ設備がありました。
洗面台・化粧室設備など
宿泊施設を使うにあたり重要な洗面台・化粧設備をみていくことにしましょう。
トイレみーっけ。ここを使えばいいんだねと思ったあなた。残念ながら、車両のトイレは使えません。
B寝台の必需品といえば、冷水機がありましたね。平べったい紙コップに水を注いで飲んだことならあります。
えー、大変残念ですが、この冷水機は使えません。
1号車と2号車にある、昔懐かしいB寝台の洗面台です。誠に残念ではありますが、この洗面台は使えません・・・。もちろん、水も出ません。
あくまで、オブジェとして楽しみましょう。
その代わりといってはなんですが、2号車と3号車のドア横に、お手洗いと洗面台が設置されております。ブルトレのトイレよりもきれいですから、問題ないですね。はい。
さっき、B寝台の洗面台は使えないといいましたが、実は、B個室ソロの洗面台のみ、今でも現役の洗面台として使用することができます。お湯は出ませんけど、朝ここで歯磨きをしたり、顔を洗ったりすると、現役当時の雰囲気を味わえるかもしれませんよ!?
共通スペースの隠れた見どころを紹介
2号車の共通スペースをよく見ると、いろいろと面白いものがありましたので、ここで一挙に紹介しようと思います。
上のほうをよく見ると、窓がついています。現役時代には当然ついておらず、ブルートレインたらぎにやってきてから付けられたものです。列車ホテルは車両ではなく、建築物の扱いになりますので、建築基準法に基づいた対応をしなくてはなりません。
それと、荷物棚は倉庫代わりとして、現在も有効に活用されているようですね。
共通スペースの通路にも折り畳み椅子があります。1号車のB寝台にある折り畳み椅子とモケットが違います。
このモケットの柄を見るとまさにJR九州という感じがします(さっきも言いましたけど、もう一度いいましたw)
国鉄からJRに転換されたときの広告も掲載されていました。現役時代にはそういうものはなかったので、いったいどこから手に入れたのか気になりました。(聞くの忘れました)
「門司鉄道管理局管内略図」というのもありました。国鉄時代の路線図ですね。
図をよく見てみると、長崎本線が旧線ルート(長与経由)しかないこと、筑肥線が博多まで伸びていたことなどがわかります。
図の路線をすべて調べたわけではないので、推測にはなりますけれども、上記の2点を鑑みるに1970年ごろのものだと思われます。根拠としては、長崎本線の鳥栖~肥前山口間および諫早~喜々津間が完全複線化したのが1969年、そして、長崎本線の新線ルート(市布経由)の開業が1972年であることなどから先の推測をした次第です。
さて、お待たせしました。先ほどフラグをちらつかせておりましたが、冷水器・電子レンジの下にあるこれは、ブルートレインの放送装置(本物)です。さっき、乗務員室で見たものと同じものですね。
放送装置の左側にある白いボタンを押すと、客車の車内チャイムでおなじみ「ハイケンスのセレナーデ」が流れます。なお、押し続けると押している限りループ再生しますw
そして、左側に取り付けられているマイクですが、ダミーではなくてきちんと放送できるマイクになっています。大音量にはなりませんけれども、放送すればまさに車掌になった気分になれますよ。
ちなみに、放送装置を稼働させるには、この赤い発電機のスイッチをオンにしてから、放送装置のスイッチ3か所をオンにすることによってできます。
赤い発電機の上には、鉄道関係の雑誌がたくさんありました。暇つぶしに読むのもよさそうです。
一応、ブルートレインの放送装置を使う際は、フロントに一声かけておきましょう。
放送文面もしっかりと載ってますので、気が向いたら仲間内で放送を楽しむのも一興ですね。
あとは、アドリブとか、他ブルートレインの車内放送に挑戦するのもまたいいかもしれませんね。
ブルートレインたらぎ 施設概要およびアクセス概要
それでは、最後にブルートレインたらぎの施設概要ならびにアクセス概要を掲載します。
ブルートレインたらぎ施設概要
施設名:「ブルートレインたらぎ」
住所:熊本県球磨郡多良木町大字多良木1534-2
電話番号:0966-42-1120
宿泊時の予約方法:オンライン予約(登録が必要。なお、登録は無料)もしくは電話
宿泊できる客室:B寝台開放(1号車。30名)もしくはB寝台個室ソロ(3号車。18名)
宿泊料金:3,080円(大人の場合)
チェックイン・チェックアウト時間:(チェックイン)14:00~21:00・(チェックアウト)7:00~12:00
消灯時間:22:00(共通スペースは23:00。なお、門限はありませんが、深夜・早朝の出入り時は要注意【詳細は後述】)
そのほかのサービス:朝食(200円)、貸自転車(宿泊者料金は300円)。どちらも、あらかじめ予約が必要。
参考までに個室にあったご案内をここに掲載しておりますので、合わせてご確認ください。
ブルートレインたらぎまでのアクセス
ブルートレインたらぎへのアクセスを記載します。
壱:人吉までのアクセス
【列車で行く場合】
JR肥薩線人吉駅下車
【バスで行く場合】
人吉ICで下車。当該バス停を通る高速バスは以下の通り。
- フェニックス・スーパーフェニックス号(福岡~宮崎間)
- きりしま号(熊本~鹿児島間)
- なんぷう号(熊本~宮崎間)
- B&Sみやざき(新八代~宮崎間)
※人吉ICには、上記の高速バスであれば、速達便・各停便問わずすべてのバスが停車します。
人吉ICから先は、人吉駅行きの産交バス(人吉IC乗降口バス停から乗車)に乗るか、徒歩15分ほどでくま川鉄道湯前線相良藩願成寺駅(人吉温泉駅の隣駅)に行くことができますので、どちらかお好きな方をお選びください。また、タクシーも常駐してます。
弐:人吉からのアクセス
【列車で行く場合】
くま川鉄道湯前線人吉温泉駅(JR人吉駅に隣接)から下り列車に乗り、多良木駅下車。徒歩1分。
【車で行く場合】
九州自動車道人吉ICから県道33号もしくは国道219号経由で多良木駅方向へ向かう。
【バスで行く場合】
人吉駅から産交バス。湯前駅・市房登山口・古屋敷行きのいずれかに乗車し、多良木バス停下車。徒歩3分。
※日中時間帯においては、バスのほうが列車よりも本数はありますが、運賃的には列車でいくほうが200円くらい安いです。
くま川鉄道の現在の主力車両KT-500形気動車。特定日には、観光列車「田園シンフォニー」として1日1往復運転されている。この列車は、地元産の木材(ヒノキ)を多用した車内となっており、ソファやカウンター席もあるので、ぜひ機会があれば乗ってみてほしい。
チェックインすると、乗車券風の宿泊券がもらえます。記念に残すのもいいでしょう。
なお、深夜早朝外出時は、これを必ず携帯してください。外出した後、ブルートレインたらぎに戻ってきたときにこれをもってないと入れないことがありますので・・・。
あと、写真には撮ってませんが、希望すればスタンプカードももらえます。10個たまると、団体料金で宿泊できる特典があります。
ブルートレインたらぎの今後の課題
2010年7月にオープンしたブルートレインたらぎ。私にとっては懐かしく、居心地の良い空間だったというのが感想でした。また、機会があれば行きたいです。私の場合は、寝る場所だけでもあればOKなタイプですので、そこまで高等なサービスを求める人種ではないのですが、ホテルや旅館並みのサービスを求めるという人たちにとっては、ここはおすすめできないかもしれません。
さて、簡単な感想はこれくらいにして、私が現地に行って思ったことを以下に書いていきたいと思います。
もともとJR九州から譲渡されたときから、塗装の剥がれ落ちやひび割れなどがあったので、仕方がないといえば仕方がないのですが、この多良木にきてからもまもなく7年たつ今でも色あせや老朽化が進行しているように思います。
B個室ソロの中ほどの車体を見ると、ひび割れ・色あせがかなりひどいように思います。5年たったらもっとひどくなりそうな気しかしません。
裏側に回ってみると、さらに色あせなどが進んでいるところがありました。車体のSOLOロゴも色が消えかかっているほか、方向幕も赤字部分が色あせて見えなくなっていました。
要するに、何がいいたいかというと、鉄道車両といえども、年月が経つにつれて、塗装や車体の老朽化という運命から逃れられないというわけです。
今後も、ずっとこの多良木の地でやっていくのであれば、さび落としや、再塗装などの修繕・維持作業が当然伴ってきます。かつても、ブルトレを使った宿泊施設がありましたが、次第に朽ちていき、挙句の果てには営業休止→解体という運命をたどっていったわけです。
このブルートレインたらぎが安易にそういう運命にならないためにも、そろそろ自治体が腰をあげるべきなのではないかと思います(一応多良木町も関与しているので)。
もちろん、いうのは簡単ですけれども、いざ実行するとなると相当お金もさながら、労力もかかります。
けれども、今私たちができることは・・・
このブルートレインたらぎを積極的に利用して、少しでも維持できるように貢献する。
につきるのではないかと思います。
立地的にも、熊本・鹿児島・宮崎へ観光に向かう際の拠点として使うにも十分でありますし、泊まるだけという観点からしても
もし、今後自治体などが動いて、維持するための基金とか、修繕作業などがあるようでしたら、積極的に貢献したいと思っております。
鉄道好きの方でもそうでもない方も、話題作りにぜひブルートレインたらぎに泊まってみることをわいからもおすすめいたします。
闇夜の中に浮かぶ14系客車。今後もこの地でできるだけ長く、ブルトレの行き残り姿を後世に伝えてほしいものである。
以上、ブルートレインたらぎのレビューをお伝えしました。
思いが詰まっているせいで、ついつい長々と書いてしまいましたが、今後ブルートレインたらぎに訪れる際の資料として見ていただければ幸いであります。