こんにちは。北陸の食パンです。
今回は、今年の3月限りで定期運転が終了し、さらに今月臨時列車としての運転も終了(本日で上野発終了、明日で札幌発終了)する北斗星の乗車記録を書いていきたいと思います。なお、乗車した日は2014年10月20日の話であります。
「北斗星」。1988年の青函トンネル開通時に登場した寝台特急で、今までのブルトレの常識を覆すぐらいの設備(A寝台ロイヤル・食堂車「グランシャリオ」のフランス料理コース)をもって、上野~札幌間を毎日運行している寝台特急であった。
わいもいつかは「北斗星」に乗りたい思いがあったが、諸般の都合でなかなか乗れずにいた。しかし、迫る北海道新幹線開業までに廃止は確実。なんとかして乗りたいと思い、資金をなんとか集めて、とある日に母親に「北斗星乗りたいなあ」とぼやいたところ、母親がすごく乗り気になり、机上の計画が実行へと移されることになったのである。
2014年9月某日、いろいろと検索して行きついたのが、北斗星やカシオペアに強いとある旅行会社のサイト。そこのフリープランを選択(実際はびゅうの商品の一つであるが)し、まずは切符を手配。企画券扱いであったために、乗車日の1ヶ月以上前から手配することができたのである。ロイヤルかツインデラックスか迷ったが、母親のことを考えてツインデラックスを選んだ(なお、母親はロイヤルがよかったらしい。わいもロイヤル乗りたかったからそうすりゃよかったかなorz)。
そして、乗車日1か月前にディナー券も確保。希望通りの時間帯とフランス料理コースを予約することができた。北斗星の準備に関してはほぼ万全の状態となり、あとは当日を待つのみとなった。
ちなみに旅行当日の行程は以下の通り。
【10月19日】
地元→大宮→(新幹線)→新青森→(諸事情によりタクシー)→青森→(特急スーパー白鳥)→函館観光
【10月20日~21日】
函館観光→(特急スーパー北斗)→札幌→(北斗星)→上野→地元
となっている。今回は北斗星の話に絞るが、その前についてはどこかで旅行記として公開する予定である。
札幌に16:00頃到着後、フォロワーのュドウフさんと少しの間会って、その後土産を買いつつ、16:45に北斗星の発車するホームへ行く。そして17:00過ぎに北斗星が入線。乗車後シャワーカードを購入した後、自分の部屋へ向かった。そして、17:12に定刻通り札幌を出る。
今回乗った「ツインデラックス」。2段ベッドとなっており、室内の広さは開放B寝台2段ベッド2セット分(1区画)ぐらいに相当する。
ベッドの反対側はライティングデスクとチェアがあり、車窓を見ながら勉強・PC・読書なども楽しめる優れものである。
ツインデラックスでコンセントを使った場合のワンシーン。ごっちゃごちゃでサーセンw テレビをつけないなら延長コード1本でも十分足りますが、つける場合はそのときにより2本必要になる場合もあります。わいの場合はiPhoneおよびiPadの充電のためにあえて2本つけました。
室内のテレビではビデオ放送も行われているが、チャンネルは一つしかなく、しかもずっと同じ内容がループされているだけである。この日は「マダガスカル3」が放映されていた。
乗車して1時間もしないうちに、ディナータイムの時間が迫ってきた。わいは18:00~19:20の枠を確保している。上り列車については、前述のほか、19:40~21:00の枠もあった(定期列車晩年当時)。
待ちに待ったディナータイム。食堂車での食事。人生で最初で最後の儀式を今、迎えようとしている(外国なら機会があるけど、外国行く気ないので生きているうちはたぶんこれで最後になるだろう)。
先客がすでにいたので、人がいないきれいな写真は撮れなかったが、食堂車の中を撮影した後、ウェイトレス(これって現代だと差別用語になるんでしたっけ? でも、ホールスタッフだとなんか雰囲気に合わないし)に席を案内してもらう。
予約制なので、その予約にあった食器類やメニューがすでにセットされていた。これを見るだけでも格別な気分に浸れるものである。
テーブルにセットされたメニュー。あとで中を開いてみよう。なお、これはもちろん記念に持ち帰りました。(ウェイトレスに許可もらってからねw)
せっかく北海道にきたから(もうこのころは帰途についてるけどw)サッポロクラシックでも頂きましょうか!
テーブルにあったメニューを開けてみる。今回はフランス料理コースを選択した。フランス料理なんて食うのめったにないから本当に緊張する。ちなみにもう一つは北斗星懐石御前である。ディナータイムは、寝台券が確保できてから予約することができ、予約の時点でフランス料理コースか北斗星懐石御前を選択することとなる。
フランス料理コースは前菜からデザートまで順に出てくるのでゆっくりした食事ができるが、北斗星懐石御前の場合は食事が入ったお膳が1回出てくるだけなので、早く食べてしまうと食堂車でゆったりとした食事ができなくなってしまう。まあ、その場合はお酒注文して飲んでればすむ話なんですがねw
なお、このテーブルにあるメニューは奇しくも数日後にリニューアルされることとなったのである。ある意味、リニューアル前のディナーが食えたことに感謝である。
それでは、当時食べたディナーのメニューを飯テロ形式で紹介しよう。
※以下の写真は、2014年10月のリニューアル以前のもので、今では食べることができません
まずは、オードブルの帆立貝柱とサーモンのマリネ紅白仕立て。ちょっと食べるの大変だったけど、なかなか見た目がよかった。
続いて魚料理は、牡丹海老と白身魚のワイン蒸し赤ワイン風味のクリームソース。これぞフランス料理っぽい雰囲気を醸し出していた。
牛フィレ肉のソテー 大地の野菜添えマスタードソース。上の野菜で流れ星を表現しているのが、なかなか粋な計らいであった。
パン。ライスは選べないので注意。洋食だから当然だけれども。
デザートはスペシャルガトーとグラスの盛り合わせ。それにコーヒーか紅茶を選択するシステムである。
上にのっている北海道の形をしたチョコがなかなか粋である。
そんなこんなで流れる景色や母との会話を楽しみながらゆったりとした食堂車での食事を楽しむのであった。
ディナータイムの後、少し休憩を挟んでシャワーを浴びに行く。
乗車してから真っ先に買いに行ったシャワーカード。乗車して向かわないとすぐ売り切れてしまうので、札幌で列車を撮る余裕すらなかったのだ。今までのブルートレインでまともに列車を撮らずに乗るとか初めてである。
ちなみに、シャワールーム(6号車にある)の利用時間は30分単位で決まっており、上り列車の場合は17:30~22:00と翌朝6:00~9:30である。購入時に希望時間帯を申告するシステムである。もちろん、先客で埋まった時間帯は利用できない(シャワールームは2つあるので、同じ時間帯であれば2名まで入れる)。なお、シャワー本体が使える時間は6分間(途中で止めることも可能。ただし、シャワーカードの残り時間がある状態で扉をあけるとリセットされてしまう)。シャワーが出る時間が6分間というのは女性にとってはちょっと厳しいかもしれない。
シャワー浴び終わって部屋に戻ったのだが、鍵がかかってる。母親どこいったんじゃ? と探すこと3分。6号車で母親を見つけた。どうやらわいがシャワー浴びてる間にグッズ販売の放送があったらしく、その列に並んでいたとのこと。
この後のパブタイムに備え、わいはパブタイムの列(2番目)に、母親はグッズ販売列に並ぶこととした。なお、6号車はこの2つの列のおかげで、ロビー室がカオスなことになっていた。かくして、グッズ販売が行われたのだが、ここで事件が発生する。なんと、先客数名がグッズを大量に買い占め、後の人に販売できなかったことが発覚(おそらく転売目的濃厚)し、他の客から大クレームの嵐となった。しかしながら、車掌の機転のおかげもあり、先客から買いすぎた分をすべて回収したうえで、再度グッズ販売を開始。わいと母親も無事に北斗星グッズを購入することができたのである。
まあ、民族性として日本人は優秀な類になるらしいけど、いつからそんな屑が横行し始めたんでしょうね。まあ、昔のほうがもっと悪かったって話もあるそうですが、生まれる前なので比較しようがないっす。
そして、パブタイムの列に母親も加わった後、パブタイム開始まで前後に並んでた人らと談笑。先頭に並んでた人は初めての北斗星かつブルトレ自体初めて乗ったとのこと、後ろの人何回か北斗星に乗ったことがあるらしいとのことである。
談笑しているさなか、21:10を少し過ぎたところでパブタイムがスタート。話の流れにより、先頭に並んでた人と相席することとなった。ちなみに上り列車のパブタイムは21:10~23:00である。
パブタイムのビーフシチュー・煮込みハンバーグに一瞬惹かれそうになったが、ディナーも食ったことだし、つまみにできるものを頼もうということで、ソーセージの盛り合わせとピザを注文することにした。
パブタイムでは白ワインを注文。わいはワイン自体あまり飲む機会はないのだが、飲む場合においては赤よりは白のほうを選ぶことが多いようだ。
この写真はグラスワインであるが、グラスワインのほかにもボトルワイン(7種類)も注文ができる。ほかにもビール・日本酒・梅酒・ウイスキー・カクテル・ソフトドリンク各種を取り揃えている。
北海道ソーセージの盛り合わせ。パブタイムのメニューではスナックの類に入る。ほかにミックスナッツやチーズ盛り合わせがある。
ピッツア・マルゲリータ。こちらは一応パブタイムにおけるメインメニューの一つである。
ちなみに、パブタイムにおけるメインメニューはビーフシチュー・煮込みハンバーグ(この2つはセットメニューもある)、ビーフカレー・リヨン風サラダ(セットメニューの場合は付属しているが、単品注文も可能)・パスタ(ペペロンチーノと)となっている。
デザートはアイスもしくは夕張メロンゼリーとなっている。
パブタイムの途中で函館についたため、いったん撮影のために離脱。車番などの写真を撮影した。
JR北海道車のみついているエンブレム。まさに北斗星にふさわしいものだ。
パブタイムが終わった後も、母親と一緒に酒を飲んでつまみを食す。青函トンネル通過の様子を見ていたのだが、途中でウトウトしてしまう。しかし、なんとか本州に戻ってきたというところを見てから、寝床に入ることとした。2段ベッドのうち、母親が下段、わいが上段となった。
右の写真が上段の様子。荷物棚から撮影したものである。ちなみに大きな荷物はすべて荷物棚に収納した。
上段にも申し訳程度の窓があり、一応外の景色は見られるようにしてある。
青森駅に着く前に寝入り、その後仙台につく直前まで寝ていた。仙台からずっとおきてようと思っていたのだが、アイモバで仙南エリア代行19件回収した後、安心してしまったのかまた寝入ってしまう・・・。
そして、起きたのが6:20。母親に起こされた。時間を見て、「アカン。朝食が始まるまで10分しかないやん」ということで、焦りながら軽く身支度して、グランシャリオへ。相席ながらもなんとか待つことなく席につくことができた。
なんだかんだですぐに注文して、母親は和食(和定食)、わいは洋食(洋定食)を選んだ。なお、母親曰く内容を見て洋食のほうがよかったかなとぼやいた模様w
なお、朝食の時間だが上り列車においては6:30~8:30となっている。
洋食(洋定食)に付属しているサラダ。
母親が頼んだ和食(和定食)。写真を撮らせてもらった。鮭の塩焼きがメインらしい。それにご飯とみそ汁がつく。
こちらが洋食(洋定食)のセットである。いかにもイメージ通りの洋食のbreakfastといった感じだ。
そして、コーヒー(晩は紅茶だったからコーヒーにしたw)と夕張メロンゼリー。
朝食を食して、グランシャリオとはお別れ。ディナータイム・パブタイム・朝食と3度お世話になりました。
朝食から戻って、上野まで2時間あまりでついてしまう。最後くらいは、ゆったりと最後まで部屋で過ごすこととした。
朝食から戻ると通路のところどころに何かが置いてある。これはA寝台(ロイヤル・ツインデラックス)利用者に配られる朝刊サービスである。以前、他列車のA寝台(シングルデラックスだけど)に乗った時はそんなものなどなかったので、結構新鮮に思ったものだ。
配られた朝刊は読売新聞で、地域版を見たところ仙台のバージョンであった。まあ、上り列車ということを考えればそれが妥当であろう。ちなみに下り列車は北海道新聞が配られるらしい。
下段ベッドを座席にした状態。腰をかけるとちょっと低いのが気にはなるけれども、シートの広さは結構あり、ゆったりとくつろげるようになっている。
下段ベッドの壁にある説明書きを撮る。座席にする際は枕などは上段ベッドにのせておきましょう。
ライティングデスクに付属しているチェア。これはわい的に結構お気に入りである。廃車発生品で出たら、家におきたいぐらいw ちなみに、右に見えるのは、オットマン。下段ベッドを座席状態にしたときに重宝するものであるが、1つしかないので、2人利用の場合は早い者勝ちになりそうだ。
チェアの後ろの壁についてるのがコントロールパネルでビデオやBGMに切り替えることができる。なお、右の赤いスイッチが電源のため、延長コードをつないでいる場合においてこれを切ると充電不可能になるので要注意である。
ライティングデスク。PCや物書きも十分できる程度に広い。ここで旅日記を書くのもよし、ノートPCでネットサーフィンとかゲームやるのもよしといった具合に使い勝手が良い設備である。
入口の左横にはロッカーが設けられており、ハンガーが3本くらいかかっている。ロッカーの中に上段ベッドに上る梯子を備え付けており、寝るときはここから出して梯子に上って寝ることとなる。
A寝台の標準設備であるエチケットブラシ、靴磨きと靴べら。何気ないものではあるが、これがあるからこそA寝台のステータスを保てる貴重な設備として機能している。
そして、9:38に定刻通りに上野に到着。わいにとって人生最後のブルートレインの旅は終わった。そこで、パブタイムで同席した人と記念撮影などをして、上野駅13番ホームを後にした。その後はまっすぐ地元まで帰った。
ということで、今回は北斗星完全廃止を惜しみつつ、わいの北斗星乗車記録を書かせていただきました。
実は、廃止までにもう一度親父と北斗星に乗りたかったのですが、夢かなわず。そして、ロイヤルに乗る夢もかないませんでした。そして、今春廃止になったトワイライトエクスプレスも乗れずじまいに終わってしまいました。
客車使用の寝台特急は今年で絶滅するに至りました。時代の流れとはいえ、あの非日常体験ができなくなるということは非常に寂しいものです。ある意味これを境にただでさえ減退している鉄活動がさらに減退するものと思われます。
これからは列車旅よりも車とかバス旅が多くなりそうな気しかしませんが、JR九州ならびにJR四国で発売されているバースデーきっぷで列車旅ぐらいは一度やってみたい所存です。
また、今後において寝台特急に乗った記録記事を随時記載したいと思います。ただし、一部を除いて他旅行記とセットになりますので、気長にお待ちいただければ幸いです。
では、最後にわいから一言。
「さらば。北斗星。ありがとう北斗星。」
もうあの日には戻れませんが、いつまでも思い出の中で北斗星はいきつづけると思います。
勢い余ってだいぶ長くかいてしまいましたが、時間を割いてご覧いただきましてありがとうございました。
次回記事はどうするか決まってませんが、そんなに内容は期待しないでねw