都心に乗り入れる最後の2扉セミクロスシート車 西武4000系に乗ってみよう!

こんにちは。北陸の食パンです。

最近は、コロナウイルスによる自粛ムードみたいなものが広がっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。わいの場合は家に篭っても大丈夫なように色々と揃えておりますが、だいたいベッドで寝っ転がってそのまま寝落ちすることが多いですw

寝落ちしてない時は、色々とやってるんですけどね。今がブログの書きどきかなとは思ってますが、いかんせんネタの選定に迷ってなかなか手が付かないということが多くてですね・・・。

さて、今回は都心に乗り入れる最後の2扉セミクロスシート車である西武4000系について特集します。本当は、2018年の春先に掲載する予定が諸般の都合で今更になり、そして2020年3月ダイヤ改正で都心乗り入れ廃止されるので、都心に乗り入れることがないという意味で今更感半端ないなんて言えない。

もう2020年3月ダイヤ改正で都心乗り入れは無くなりますが、タイトルはあえて記事を書こうとした構想時のままとしました。あらかじめご了承ください。

西武4000系電車について

ここでは、西武4000系電車について解説します。

西武4000系概要

写真に写っている電車が西武4000系電車です。白色の車体に青・赤・緑の帯を纏ういわゆる「ライオンズカラー」の電車となっています。このカラーを採用しているのはこの4000系電車と8500系(レオライナー)のみであり、他の電車とは格が違うと言ってもいいでしょう。

西武4000系は西武秩父線開通20周年の節目を迎えるにあたり、1988年に登場しました。翌年の1989年には、この電車を用いた秩父鉄道線との直通運転を開始しています。

足回りについては、西武秩父線開業に備えて登場した101系電車の廃車発生品を利用しているため、車体を新造するといういわば車体だけとりかえたような感じになっています。

車両設備面では、片側2ドア、座席はセミクロスシートが採用されており、沿線のハイキング客輸送や観光輸送に対応した仕様になっています。また、飯能方の車両には和式のトイレが設置されています。(西武40000系が登場するまでは、特急型をのぞいて西武唯一のトイレ設置車両でした)

また、乗降口の右横にはドアボタンが設置されており、主に冬季における駅での長時間停車時に半自動ドア扱いを行なっております。

2002年〜2003年にかけて、西武秩父線(西武池袋線飯能〜吾野間を含む)のワンマン運転に対応するために改造工事が施されました。

2016年には、4009編成を改造したレストラン列車「西武 旅するレストラン52席の至福」も運行されております。

1989年から長らくの間、土休日に限り池袋発着の秩父鉄道線直通列車として活躍してきましたが、2020年3月ダイヤ改正で都心乗り入れが廃止され、以後秩父鉄道線直通列車は毎日飯能発着での運転となります。

都心乗り入れは廃止となりますが、飯能まで行けば西武4000系には引き続き乗れますのでご安心ください。(飯能〜西武秩父間は一部列車をのぞいて全て西武4000系で運転されます。繁忙期はロングシート車の割合が増えますが・・・)

ちなみに、本形式に類似する電車として東武鉄道6050系がありますが、東武伊勢崎・日光線の快速・区間快速列車は3年前の2017年に廃止されており、本形式が実質的に最後の都心乗り入れセミクロスシート車両となりました。

車内設備について

ここでは、西武4000系の車内及び車内設備について解説します。

まずは西武秩父・池袋方先頭車の車内全景の様子です。扉間はクロスシートがずらっと並んでおり、写真手前側はロングシート(優先席)になっております。

つり革は扉周辺のロングシート部に設置されています。

蛍光灯はNRAと同様にカバーがついているタイプになっています。

続いて中間車の車内全景の様子です。こちらも扉間はクロスシートがずらっと並んでおり、写真手前側はロングシートになっております。ロングシートの先頭車側については優先席になっております。

つり革は、こちらも同様にロングシート部に設置されています。

最後に飯能方先頭車の車内全景の様子です。扉間はクロスシートがずらっと並んでいます。先頭側の扉周辺と後扉の前側及び後側の右側にはロングシートが設置されています。

つり革は、こちらも同様にロングシート部周辺に設置されています。

この車両にはトイレがついており、写真右側の壁の部分にトイレがあります。左側については立席スペース兼車椅子スペースとして機能しています。

クロスシートの座席を撮ったものです。昔ながらの直角型のクロスシートですけれども、背ズリの真ん中に仕切り線があったり、頭の部分がちょっと出っ張ってるなどしており、113系とか115系に見られるようなクロスシートとはまた違う特徴があります。

クロスシートの両側には肘掛もあり、窓際にはテーブルも付いています。行楽輸送に特化したという設計では必須の設備ですね。

クロスシートの部分を横から撮ってみた図がこちらになります。真ん中にサッシがありますが、大きな窓で開放感あふれる車内になっております。

窓の上部横には、帽子や上着をかけるためのフックも取り付けられています。使っているところはなかなかみませんけどw

車端部のロングシートになります。もともとロングシートだったわけではなく、ワンマン化改造を行った際にロングシートになりました。(ワンマン化改造を行う前はこちらも同様にセミクロスシートになっていました。)

この改造されたロングシートの座面はバケット式を採用しており、着座区分がなされています。

元々のロングシートについては、製造当時から変わっておらず、バケット式ではないタイプになっています。(写真は後日追加します)

というわけで、実は西武4000系のロングシートは2種類のタイプが存在しているわけなんですね。

優先席部分はこんな感じです。普通の座席は青いモケットが採用されていますが、優先席についてはグレー色のモケットが採用されています。(西武の他系列の優先席でも、一部の車両【最近の車両や更新車】を除きこの色が採用されています。)

クロスシート部にあるテーブルをアップで写したものです。そこそこ大きめのテーブルがついております。飲み物やお菓子・弁当などが余裕で置けるサイズです。極度に大きいものは置けませんがね・・・。

テーブルの取り付け部はこんな感じになっています。

さて、こちらもクロスシート部にあるテーブルをアップで写したものです。さっきのテーブルに比べると気持ちもう少し大きく見えます。(寸法を測ったことはないので、あくまでイメージ先行で語ってますが・・・)

こちらも、飲み物やお菓子・弁当などが余裕で置けるサイズですね。なんでまたテーブルの写真を載っけたかというと・・・。次の写真をご覧ください。

前の写真のテーブルの取り付け部を写したものです。ここで先ほどのタイプのテーブルと何が違うかお分かりいただけるでしょうか?

取り付け部の形状が違うのはもちろんのことですが、テーブルの右下をご覧ください。今では貴重なセンヌキがついております。かつての列車では当たり前にあったセンヌキも今では絶滅危惧種になっております。

現代はペットボトル飲料が当たり前になってしまっていて、瓶系の飲料はビールかコーラ・オレンジジュースなどくらいしかないですからね。しかも、瓶系の飲料はスーパーにたまに置いてあるか、瓶系の自販機くらいしかみられませんし・・・。

ということでセンヌキのアップです。実は一度だけ使ったことがあります。少々コツは入りますが、瓶飲料の栓はきちんと開けることができます。

瓶ビールを開ける際は、吹き零れることがありますので、タオルとかティッシュなどを用意しておいた方が無難です。

飯能方の先頭車両の後ろ側(乗務員室ではない方)の全景になります。左側にロングシート(優先席)とトイレ(和式)があり、右側は立席スペース兼車椅子スペース(明確に車椅子スペースである旨の表示がないのでこの書き方にしています。)となっております。

先に申した通り、右側の立席スペース兼車椅子スペースはワンマン化改造時に設置されたもので、かつてはここも座席となっていました。(床面をよく見るとその時の名残が見受けられます)

トイレの様子がこちらです。昔ながらの和式トイレとなっております。便器洗浄や手洗い場の水は足で踏むタイプとなっています。

最新鋭電車は洋式トイレが当たり前になってますが、まだ1980年代後半は和式が主流だったみたいですね。

トイレの入り口の真向かいから見ると謎の扉があります。ここにはかつて飲料の自動販売機が設置されていました。(過去に撮ったはずですが写真は見つからず・・・)

自動販売機はワンマン化改造実施時に撤去されています。今この扉の中はどうなってるかはわかりませんが、業務用のものが入っているか、なんらかの機器が入っているものと推測されます。

扉の横にあるドアスイッチの写真です。主に冬季の駅における長時間停車時に使われます。(飯能〜西武秩父間で使用されます)

ドアの文字が点灯している時は、半自動ドアの扱いとなっていますので、扉が閉まっている際は、ドアボタンを押してドアを開けます。

ドアスイッチの位置が編成によって異なっており、前期製造編成は位置が高いのに対し、後期製造編成は位置が低くなっています。

車内側のドアスイッチの写真です。他の鉄道会社の車両のドアスイッチは丸いタイプが多いのに対し、この西武4000系では四角いタイプになっています。なんか見た目がちゃっちいですけどねw

こちらも同様にドアの文字周りが赤くなっている時は、半自動ドアの扱いとなっていますので、扉が閉まっている際は、「開」ドアボタンを押してドアを開けます。逆に締める時は「閉」ドアボタンを押してドアを閉めます。ドアを閉める時は周りをよくみてから閉めましょう。

編成によっては半自動ドアの扱い時に「ドア」の文字が赤くなっているタイプもあります。

秩父鉄道直通列車について

ここでは、秩父鉄道直通列車について触れたいと思います。

秩父鉄道直通列車の歴史

まずは、西武4000系が用いられている秩父鉄道直通列車の歴史をさらっと触れてみたいと思います。

1989年4月 西武池袋・秩父線から秩父鉄道秩父本線への乗り入れ開始。当初の秩父鉄道線の乗り入れ区間は、西武秩父〜三峰口間及び御花畑〜野上間。
1992年4月 東武鉄道東上線からの直通運転中止に伴い、野上行の列車を寄居行に変更する。(実質延長)
1999年12月 秩父鉄道線内ワンマン運転開始に伴い、秩父鉄道線内で間合い運用を行なっていた西武4000系の運用が廃止。(西武4000系は秩父鉄道線内ワンマン対応ではないため)
2003年ごろ 西武4000系の西武秩父線ワンマン化改造終了に伴い、自動放送が使用開始される。
2007年3月 寄居行の列車を長瀞行に変更。(実質短縮)
2008年ごろ 行先表示幕を新しいものへと変更。
2013年3月

平日ダイヤにおける秩父鉄道直通列車の本数を削減し(2往復→1往復)、上り列車(飯能行)の直通運転方式を変更。(三峰口発は単独で飯能まで運行、長瀞発は横瀬で西武秩父発の列車と併結して飯能まで運行)

土休日ダイヤにおける秩父鉄道からの直通列車を快速急行→急行に変更。また、下り秩父鉄道直通列車の前運用である本形式で運行される快速急行池袋行を廃止。

2020年3月 ダイヤ改正に伴い、秩父鉄道線直通列車の運行区間を終日飯能〜長瀞・三峰口間に変更となる。(池袋〜飯能間廃止。運行時間帯については従前通り)

といった感じです。直通運転開始から30年ちょっと経ちますが、時代に合わせて色々と変化して行きました。1999年を境に運転区間の短縮や運用形態の変更などがあることがわかります。

秩父鉄道直通列車のごあんない

ここでは、本系列が用いられる秩父鉄道線直通列車についてごあんないします。

秩父鉄道線直通列車の案内図(自作)です。(画像をクリックすると拡大します

※案内図の基準は土休日ダイヤを基準としております。

2020年3月ダイヤ改正より前は、平日は飯能〜長瀞・三峰口間で、土休日は池袋〜長瀞・三峰口間で運行されていました。

2020年ダイヤ改正以後は、曜日を問わず飯能〜長瀞・三峰口間での運行となります。

号車の番号は便宜上つけたものです。(実車にはついてません)

平日の下り列車と土休日の下り列車は横瀬で長瀞行と三峰口行に分かれます。(図にある通り。西武秩父に行く列車は三峰口行です)

土休日の上り列車は、横瀬で長瀞発と三峰口発の列車を併結して運行します。(図にある通り)

※平日の上り列車は三峰口発は単独で飯能まで運行、長瀞発の列車は横瀬で後ろに西武秩父からくる4両編成と併結いたします。つまり、三峰口発飯能行は4両のままで、長瀞発飯能行は、横瀬で画像左側の4両の後ろに西武秩父発の画像右側の4両を連結するということになります。(画像の都合上、文章だけの説明で失礼します・・・)

トイレについては案内図の1号車(一番左)と5号車(右から4番目)に設置されております。

ちなみに、秩父鉄道ではSuicaやPASMOなどの交通系ICカードが使える設備がないため、秩父鉄道直通列車に乗る際は切符をお買い求めください。(ICカードで入った場合は、着駅で現金精算となります。また、再度使えるようになるにはJR・西武などの交通系ICカードが使える鉄道会社の駅の窓口で処理が必要です。【処理連絡票が渡されますので、それを持って窓口へお越しください】)


ということで、秩父鉄道に乗り入れる車両である西武4000系について特集させていただきました。

本来は2年前に仕上げるべき記事を今更仕上げたのは遅きに失した感はありますけれども、車両の引退が決まった訳ではありませんし、引退までは一応何かの役に立つ(と思いたい)のではないかと思います。

2020年3月14日から都心に乗り入れることはなくなりますけれども、飯能〜西武秩父間及び秩父鉄道直通列車としては引き続き活躍しますので、秩父にお越しになる際は是非とも乗ってみてくださいね。


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