【アイモバリアルグルメツアー】山梨の郷土料理富士吉田エリアのほうとうを食べに現地へ赴く

こんにちは。北陸の食パンです。

11月ももう中旬に入りました。色々作業なり予定なりこなしてて、ブログを書く暇がなかったりしております。数ヶ月前より作業環境が改善されたので、それを機にもう少しペースを上げていきたいものですけれども・・・。

さて、今回は「アイモバリアルグルメツアー」第参拾六弾の記事をお送りします。内容ですけれども、富士吉田エリアの「ほうとう」を食べるために現地に赴いてみました。

それでは、早速本題に入りましょう。

アイモバにおける富士吉田エリアのほうとうの説明文は「甘いかぼちゃが隠し味。モチモチした食感がたまらないです。体力が少し回復します。」と書いてありました。

ほうとうといえば、皆様御存知の通り、山梨県で生まれた郷土料理といっても過言ではないくらい全国区で有名な料理であります。実際、2007年には農林水産省により各地に伝わるふるさとの味の中から決める「農山漁村の郷土料理百選」の中の1つに選ばれているんですね。

ほうとうを漢字で書くと「餺飥」と書くらしいですが、うどん(漢字表記は「饂飩」)と同じく漢字表記にすると非常に難しい表記になるので、ひらがな表記が一般的になっております。

ほうとうの定義として、基本的には小麦粉を練りざっくりと切った太くて長い麺を、カボチャなど野菜と共に味噌仕立ての汁で煮込み、熱いうちに提供される料理の一種というものだそうです。

一般的には、うどん料理の亜種的な認識ではありますけれども、このほうとうに関しては、必ずしも麺を入れなければならないわけではなく

  • 麺の代わりに小麦粉以外の穀物を使用するものやすいとん的な小塊のものを入れる
  • 味噌の代わりに小豆や醤油で味付をしている
  • 麺を冷やしてざるに盛り付ける

といったように、意外とざっくばらんなところもあったりします。山梨県外の人にとっては度肝を抜かれるような内容だと思いますけども。

要するに、ほうとうと同じような系統ともいえる味噌煮込みうどんみたいに材料が決まったものを使用するわけではないというのがほうとうの特徴というわけですね。(ただし、汁に関しては原則的に味噌仕立てが基本となっている)

ほうとうで使う麺に関しては、木製のこね鉢で水分を加えた小麦粉を素手で練り、出来上がった生地はのし棒を使って伸ばされ、折り重ねて包丁で幅広に切り刻むという平たい麺が特徴となっています。

なお、ほうとうの麺は、うどんと異なり、生地にはグルテンの生成による麺のコシが求められず、生地を寝かせる手法は多くないそうです。また塩も練り込まないため、麺を湯掻いて塩分を抜く手順が無く、生麺の状態から煮込むところに特色があります。そのため、汁にとろみがつくのも特色の一つであるといえるでしょう。

ちなみに、近年では専用の生麺が流通しているので、それを使ってほうとうを作るパターンもあります。

そういえば、このほうとうについてはツイートしてませんでしたね。ということで、もし、ツイートしてたら、おそらくこういうツイートをしていただろうという文章を即興で書いてみました。

「第●●回目は富士吉田エリアのほうとう。山梨県では、昔から土地柄粉食料理が多く食べられており、ほうとうは、麦を使う際、各種野菜や汁で増量されるため、麦の使用量が少なくてすみ、かつ味が良いことから山梨に根付いた伝統食になりました。」

たぶん、これでimas505iタグ・アイモバリアルグルメツアータグ、画像を添えればほぼ140文字になるんじゃないですかね。きっと。

いつも通りのお約束ですけれども、このブログにおけるリアルグルメツアーの紹介順は相変わらずランダムなので、そこのところはよろしくです。

それでは、早速本題に入りましょう。


(取材したのは2019年2月です)

ときは、2019年2月。有休をとって突発的に旅に出ることにしました(有休を取った理由は察してください)。

行き先は、行き慣れた山梨で、途中陣馬街道などを経由し、寄り道に寄り道を重ね、山梨県に入った。

わいの場合、昔から山梨県に旅行することが多いせいで、山梨に来たときは基本的に旅行しに行くというよりは、お庭で遊ぶような感覚になっているのが常となっている。

今回は、ほうとうの店では有名所の「小作 河口湖店」にやってまいりました。河口湖や富士急ハイランドにほど近い場所にあります。来たときは平日の夕方前というのもあってかなり空いてましたけれども、土日の飯時は大変混み合う店としても知られています。

軽い気持ちでほうとうを食べに行こうと思ったら、1時間以上待ちもザラにありますので、ミリオン7thの会場周辺でほうとうを食べようって思っている人はそれなりの覚悟を持って行く必要がありそうです。

ちなみに、小作は店舗を10箇所ほど構えており、47年ほどの歴史を持つほうとうの店であります。

さて、店内に入りました。1人で入りましたけど、囲炉裏テーブルのようなところに通されました。てか、「小作 河口湖店」では囲炉裏テーブルしか席がないので、一人だろうがグループだろうが囲炉裏テーブルに通されるわけです。

先程申したとおり、取材当時は平日の夕方前ということで店内はがら空き。ゆっくりと昼食兼夕食がいただけそうですね。

囲炉裏を見ると自然と心が和みます。はい。

さて、囲炉裏テーブルの片隅に座りながらメニューを見てみましょう。ほうとうだけでも十数種類あるので迷いますねえ。これは。

すっぽんとか馬肉レベルになると、相当の値段がします。まあ、それだけ使ってる食材がそこそこ良いものだからでしょう。

さて、一番最初に書いてある熟瓜ほうとう(かぼちゃほうとう)が、いわゆるほうとうのスタンダード的な位置にあるものです。

ほうとうにカボチャを入れるのは、山梨県内ではごくありふれたものですが、カボチャを溶かすまで煮るか否かは地域差が有るそうです。

左上のほうにある小豆ほうとうは、ほうとうの麺に適度な粘りのあるぼたもちのような小豆餡を乗せたもので、「こなぼうとう」とも呼ばれています。もうちょっと噛み砕いていうと、汁粉の中に、餅や白玉の代わりにほうとうの麺を入れたものみたいなイメージです。

このメニューにはありませんが、店によっては真夏の時期はほうとうの売上が落ちるため、その代替として「冷やしほうとう」とも呼べる料理である「おざら」を提供しているところもあります。

それは、ざるうどんに類似しており、ほうとうの麺を冷水でさらし、少し温かい汁につけて食べるものです。おざら自体は甲斐市(山梨県の県庁所在地である甲府市の左隣にある市)の郷土料理の一つであるとされています。

ちなみに、おざら自体は夏場のみの提供が原則となっているため、おざら狙いなら夏場に食べに行くと良いでしょう。

というわけで、今回はほうとうのスタンダードとも言える熟瓜ほうとうを選びました。肝心のかぼちゃは中に入ってて写真では見えないんですけどね・・・。

それはともかくとして、鉄鍋に入ったあつあつのほうとうはいつ食べてもおいしいです。それが、ほうとうの醍醐味ではあるんですけどね。

ほうとうは基本的にはカボチャを軸とした野菜山菜のみで具材は構成されており、夏にはネギ、タマネギ、ジャガイモなど、冬ではカボチャやサトイモ、ニンジンやハクサイ、シイタケ、シメジなどのキノコ類を入れることが多いそうです。

豚肉・鶏肉など肉類を入れるものが登場するのは観光客目当ての郷土料理店が広く普及してからということですので、本当に近年になってからといった漢字ですかね。あとは油揚げを入れたりとか、基本の味噌仕立てではなく、チゲ鍋風味にしたりとかいうパターンも存在するようです。

ほうとうは野菜類のビタミン類や繊維質に特に富み、小麦粉や芋類によるデンプン質、味噌によるタンパク質などバランスに優れた料理だそうで、昔から栄養食として食べられており、そして現代に伝わっています。

家庭で作るほうとうは、大鍋で作る事が多いので、余ったほうとうは再び翌日の食卓に上る。とろみが出て味も熟れてくるので、この「沸かし返し」を作りたてより好む人もいるとか・・・。

さて、ここでほうとうの歴史を紐解くことにしたい。

ほうとう自体の起源は諸説ありますので、以下に列挙してみることにします。

  • 山梨県内では南アルプス市の二本柳遺跡から戦国時代の石臼が出土しており、考古学的には中世後期段階で「ほうとう」の起源にあたる麺類が食べられていた。
  • 現在広く知られる説として、「ほうとう」の名は「餺飥(はくたく)」の音便したものである。奈良時代や平安時代の院政期の漢字辞書に登場していたころから、すでに1200~1300年前からあったものと考えられる。うどんと同じく、中国から伝来した料理の流れを汲むものであると考えられている。
  • 山梨県の郷土民俗研究の立場からは、穀物の粉を「ハタキモノ」と呼び、粉にする作業を「ハタク」と呼ぶ事から、「ほうとう」の語源はハタク、あるいは穀物の粉を意味するハタキモノが料理名に転用されたのが妥当と考えられている。その説によると、小麦粉で作った麺に限らず、穀物の粉を用いた料理全般に用いられているとのこと。
  • 同音の「宝刀」や「放蕩」などを語源とする説も存在する。「宝刀」については「信玄が自らの刀で具材を刻んだ」といった武田信玄に由来するとする。ただし、この説はほうとうを観光資源化するための当てつけともとれるので、根拠的には前述の2説より薄っぺらいものである。(ただし、先程記したとおり武田信玄が活躍していた戦国時代には「ほうとう」の起源にあたる麺類が食べられていたのは間違いないようである)

という感じだそうです。

山梨県にほうとうが根付いた経緯としては、近世に養蚕の普及による桑畑化で田地が集約され、裏作での麦の栽培が一般的となったことから、おねりやおやきなど粉食料理の体系が発達したそうです。ほうとうはその中でも各種野菜や汁で増量されるために小麦の使用量が少なく経済的であり、また味もよいことから広まったと言われています。

昔から食べられていたほうとうが、現代に広く知られるようになったのは、山梨県民が育んできた文化であり、切っても切り離せない縁ともいえる歴史があったからともいえるでしょう。

しかしながら、現代においてもほうとうの進化と変容は続いています。

例えば・・・

  • 少し前までは麺を打つところから作っていたが、現代では麺や味噌を既製品で代用するケースも多々見られる。
  • 具はかぼちゃを中心とした野菜・山菜類を入れるのが基本だが、現代では、肉や牡蠣などを入れるケースもある。(観光食用に変容してきている)
  • ほうとう自体は、現代でも日常食として食べられてはいるものの、少し前に比べると日常食の地位としては下がってしまっている。

など、現代においても様々な進化や変容をとげているほうとうですが、歴史が長いものほど、その時代に合わせて変化していくもんだということを改めて認識しました。逆に変容や進化を遂げないものはいずれ廃れていく・・・。ごく当たり前のことなんですけれども、色々と考えさせられますね・・・。

個人的な思いではありますけれども、今後のほうとうの進化や変容の行方を見守れればなんて思ってます。


ということで、アイモバリアルグルメツアー第参拾六回目、富士吉田エリアの「ほうとう」のレポートをお伝えしました。

山梨県の地理的事情や知恵を活かし、古より山梨県民によって育まれてきたほうとうは、これからも進化や変容を遂げていくでしょう。けれども、50年後、100年後でも山梨県民にとって切っても切れない郷土料理としていつまでも後世に伝えていってほしいなと思います。

食文化って調べれば調べるほど、得るものも多いんですよ。ええ。

2020年5月・・・、具材揃えて自炊でほうとうづくりに挑戦! してみたいなあ・・・。2020年5月に何があるかはね? わからない人は調べてもらって、分かる人はお察しください的な。そんな感じですねー。(てか、この記事のどっかに答え書いちゃったねw)

さて、次回のアイモバリアルグルメツアーは、一気に飛んで日立周辺エリアのアイテムを取り上げたいと思います。

あまり過度な期待はなさらずにお待ちくださいね。


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