【アイモバリアルグルメツアー】大島/新島エリアのくさやを求めて渡島する

こんにちは。北陸の食パンです。

最近は、新型コロナウイルスワクチン接種が世間のブームになってるようですね。わいはとりあえず様子見でしばらく打たんでいいわって感じですけども。なんせ、出歩いてたってコロナにかかってないからいらねえんじゃねえかと思ったりするわけです。他にも理由がないと言えば嘘になりますが、ここで語るのは何だと思いますので、気になる方はわいに直接聞いてみてください。

おそらくこれからの時代は、時間をいかに有効に過ごすか、いかに情報を早くかつ正確に選別するかが鍵になるのではないかと思います。どうしてこういうことを言ったかはいずれ分かる日が来るでしょうとだけお伝えしておきます。

わいも最近はパラダイムシフトを実践しており、1日1時間1分1秒たりとも無駄にしないようにしています。(まあ書くのは簡単だけど、実際に実践するのは易々ではない)

それはさておき、今回は「アイモバリアルグルメツアー」第四拾九弾の記事をお送りします。今年に入って急に忙しくなったので今更になってしまいましたが・・・。

内容ですけれども、大島/新島エリアの「くさや」を食べるために現地に行ってきました。

相変わらず公私共に忙しく、ブログ更新がローペースですみません・・・。

それでは、早速本題に入りましょう。

アイモバにおける大島/新島エリアの焼肉の説明文は「個性的な匂いのくさや。クセになってしまうかも!?体力が少し回復します。」と書いてありました。

くさやは、魚類干物の一つで、伊豆諸島特産品として知られています。作り方を簡単に述べると、クサヤモロ(伊豆諸島では一般的に「アオムロ」と呼ばれている)などの新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た独特の匂いや風味をもつ発酵液に浸潤させます。その後これを天日干しすることでくさやができるわけです。

新島では、魚全般を指して「ヨ」という方言が使われています。くさやの名の由来としては、「臭い」+「魚」=「クサヨ」が転じて「クサヤ」になったと言われています。また、新島においてはくさやを製造している水産加工業者を指して「イサバヤ」と呼ばれているそうです。

なお、くさやという言葉は江戸時代の江戸の魚河岸の間で「くさいからクサヤ」という名前がついたという説があるものの、いつの頃から呼ばれるようになったかは不明だそうです。

くさや自体の製造は、伊豆諸島各地でなされていますが、筆頭産地は新島だそうです。くさやの加工団地もあるぐらい盛んであります。新島以外では、伊豆大島・八丈島・三宅島(三宅島に関しては2000年の三宅島噴火により壊滅したため、現在ではかなり規模が縮小されている)で生産されています。あとは、小笠原諸島の父島でもくさやの製造を行なっています。

ところで、くさやは長い歴史を有する日本古来の食品であり、江戸時代には献上品とされていた記録が残っています。

当初は単純な塩水に浸けた魚を干したものでしたが、塩水を使いまわしながら干物を作っていたところ、それに魚の成分などが蓄積し、さらに微生物などが作用することで現在のくさや液の原点となるものができたと言われています。

伊豆諸島でくさやの製造が盛んになった背景を説明します。

まず、伊豆諸島では急峻な斜面が多く、稲作や畑にする土地が少なかったため、その代わりに伊豆諸島には塩という特産物があったので、江戸幕府は米の代用として塩を年貢(塩年貢ともいう)として献上することを命じたそうです。一般的な江戸時代の年貢である米の年貢が村人全体総出で納めないとならないのと同じように、伊豆諸島の塩も島中の島民総出で作らないとならないほどの量を納めていたそうです。

当然ながら塩はとても貴重なもので、勝手に塩を盗んだり独占しようとしたらその一家は取り潰しにされるという厳しい掟が存在していたそうです。村八分よりも厳しい制裁といえるのではないでしょうか。

伊豆諸島では、年貢として納めるための製塩のほかに、魚などを獲っていました。釣った魚を江戸まで運ぶには塩漬けにして干物にするのが最適解ですが、年貢として納めなければならない貴重な塩を大量に使うわけにはいかない事情がありました。そこで、島民たちは試行錯誤の末、塩水に浸しておいて干す方法を思いついたわけです。

浸すたびに塩水を取り替えたいのが本音ですが、島では塩と水は大変貴重なものですので、やむなく減った分だけ塩を足しながら塩水を使いまわさなければなりませんでした。何度も漬け込みを繰り返すうち、魚の成分から微生物が発生・作用し、塩水が発酵し、ついには独特な香りと味をもった「くさや液」ができあがったとされています。

このくさや液の手入れは、主に女性が日々培ってきた感覚で維持・保存されており、くさや液は島の嫁入り道具のひとつになったほど重要なものであります。他で例えるなら、ぬかみその手入れに近く、ぬかみその味がその家の嫁さんの腕で決まるような感覚ですかね。くさや液は古ければ古いほど良いものとされ、中には二百年以上前から手入れ保存されているものも存在しています。

ちなみに、くさや液につけた干物は一見傷んでいるように見えますが、食べたところおいしかったので、結果的にその製法で広まったと言われています。

そういえば、このくさやについてはツイートしてました。一応振り返ってみましょう。

第一回目は大島/新島エリアのくさや。 新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た独特の風味をもつ発酵液に浸潤させた後これを天日干しにした食品で、においが独特ですが、食べてみるとおいしい

というツイートをしていたみたいです。これが記念すべき(?)初回のリアルグルメツアーレポートツイートでした。ここ最近のリアルグルメツアーは即興でこういうツイートしていただろうばっかりでしたが、今回は久々に過去ログから発掘できました。はい。あとは多分過去ログは数件くらいしか見つからないかと・・・。

いつも通りのお約束ですけれども、このブログにおけるリアルグルメツアーの紹介順は相変わらずランダムなので、そこのところはよろしくです。


(取材したのは2021年3月です)

前回のブログ記事において、唐突に日帰り(滞在時間わずか5時間)伊豆大島の旅を実行したが、本来の目的は今回のブログで取り扱う「アイモバリアルグルメツアー」の取材をするために伊豆大島を訪れたというわけです。

伊豆大島自体は上陸こそしたことはありますが、島内をぐるっと一周したことがなかったので、これを機会にやっておこうというのもありました。本当は新島まで行ってくさやを探しに行くつもりでしたが、行程に余裕がなかったことと、航路的に日帰りで帰れるレベルではなかった(ついでにいえば飛行機も飛んでいるが、値段が高いので現実的ではなかった)ので、新島に次ぐくさやの製造地である伊豆大島を選ぶことにしたというわけです。

伊豆大島では、島の南東部にある随一の漁港である波浮港周辺でくさやの製造が盛んに行われています。実際、くさやを取り扱う業者も波浮港周辺に集中しているわけです。くさや自体の購入は波浮港周辺以外にも、伊豆大島にあるスーパーや、船が発着する岡田港、元町港周辺の土産屋でも買うことができます。

まずは、ここでくさやを探してみましょう。

店に入ると、パック詰めの焼きくさやが置いてありました。パック詰めのやつは結構量が入っていて、かつ値段もまあまあするのが特徴です。

魚を開きにして、くさや液につけて、それから骨取りして焼いてってなるとコストもそれなりにかかりますし、納得はできますけれども。食べやすいことを考えるなら少し値段が張ってもパック詰めの焼きくさやを買うことをおすすめします。

ちなみに通常の魚の干物の形をしたくさやの方が、パック詰めの焼きくさやよりの値段の2分の1〜3分の1の値段で買えます。

「三百年の秘伝のくさや液につけた独特の珍味です」と書いてあるバージョンのパック詰めの焼きくさやもありました。

しかし、ここではくさやを買いませんでした。というのも、店の人を探しても見当たらなかったので・・・。他を当たりましょう。

車で少し移動して、2件目へ。「くさや藤文」というところを訪問しました。店のキャッチフレーズにある通り、「秘められし伝統の味と香り 300年」とあるので、少なくとも江戸時代の頃からずっとくさやを製造していたのでしょう。

恐る恐る中に入ってみるも、誰もいないからどうしようと思った途端、突然来客用のメロディーがなってびっくりしちゃって一旦外に飛び出してしまいましたw これぞ、おっかなびっくりってやつかもしれません。

すると、中から店主さんらしき人が飛び出してきて「どうした?」って聞かれたもので、わいはすかさず「くさや買いに来たんすけど」と言ったら、「くさやか? とりあえず中に入れ」って言われて中へと入りました。

んで、店主さんから「今はアオムロしかねえけど、それでもいいか?」みたいなことをおっしゃってたんで、大丈夫っすと答えて購入しました。

魚関係の仕事をしている人っぽい口調ではありましたが、実際にはそこそこ丁寧に対応していただきましたので、この場ではありますが感謝申し上げます。また伊豆大島に来た時は寄らせていただきます。

こちらが購入したアオムロのくさやです。魚を開いた状態のくさやを見るのは実はこれが初めてでしたが、見た目は思ったよりも結構きれいでびっくりしました。

くさやは、発酵食の一つですけれども、良質のたんぱく質、カルシウム、アミノ酸などが一般的な干物に比べて豊富なのが特徴です。特にカルシウムはあじの開きの20倍以上あり、骨や歯の形成、皮膚炎にも良いとされているほか、発酵菌の効果もありビタミンB群も豊富で、疲労回復や体を若返らせる効果が期待できるそうです。

くさやの原料となる魚は、主力が新鮮なムロアジ類(クサヤモロなど)で、他にトビウオ類、シイラなどの魚を使用しています。島や季節によってくさやの種類も変わってきますので、現地で買おうと思っている人はあらかじめ調べておくことをお勧めします。

くさやの製法についてですが、開いた新鮮な魚を、「くさや液」(くさや汁)と呼ばれる浸け汁に8〜20時間ほど浸け込み、くさや液をよくなじませてから真水で洗浄し、天日に1〜2日ほど干すのが一般的な製法とされています。

一般の干物製造と同様に、近年は天日によらず、乾燥機などを使用した強制乾燥も行われています。いかにも現代的ですね。製造量などを考えれば妥当ではありますが。

また、出荷に際しては、独特の臭気があるため、大抵は臭いが漏れないような配慮がなされ、真空パック瓶詰めなどにするのが一般的です。(写真はすぐに食べる用にしてたので、すぐに食べられるように店主さんに簡易包装にしてもらいました。家まで持ち帰りの時はしっかりと包装してくれます)

島を一周して少々時間があったので、伊豆大島の大島空港にほど近いスーパーである「げんろく」というところでもくさやを探すことにしました。すると、予想通りいろいろな種類のくさやがあったので、追加で購入してしまいました。現地で手軽にくさやを買うならここが一番いいのかなと思いました。

「げんろく」で買ったくさやを岡田港の船客待合所で撮影しました。

まずは、パック詰めの焼きくさやです。アオムロ2尾分のくさやが入っています。そのまま食べるならばやっぱりパック詰めのものに限ります。

こちらは魚を開いたタイプのくさやです。上がムロ、下が青ムロで2尾分入っています。パック詰めのくさやより安く買えるのが魅力的ですが、食べるのには一手間いるという欠点があります。

ところで、くさや液は、茶褐色の粘り気のある液体で魚醤に近い風味をもっているのが特徴です。くさや液の特徴としてそのほかにも・・・

  • 塩分濃度は10〜15%
  • 約pH8の弱アルカリ性で、含まれる窒素の大部分は揮発性塩基で占められている。
  • 溶出したタンパク質はほぼ完全に分解されている
  • コリネバクテリウム・クサヤ(クサヤ菌)があり酢酸酪酸プロピオン酸などの有機酸エステル類が特徴的な香りを醸し出す
  • ビタミンアミノ酸などが非常に豊富に含まれていて、抗菌作用もある
  • ヒスタミン生成菌が少なく、ヒスタミン分解菌が含まれており、食中毒の原因となるヒスタミンが蓄積しにくい

などといった特徴があります。故に、体に良いとされており、かつて医療体制の整備が遅れていた伊豆諸島では、ケガをしたり体調を崩すたびに、薬代わりとしてくさや液を患部に塗布したり、飲ませたりしていたそうです。

また、冒頭に申した通り、くさや液は、古いものほど旨味が出るとされ、中には200年も300年も続くものもあり、製法は伊豆諸島でくさやを製造している各店の秘伝として、代々受け継がれています。くさやの匂いや味は島ごとないしは店ごとに差があり、とりわけくさやの元祖とされる新島のくさやがもっとも匂いが強いと言われています。

こちらは魚の背の部分をカットしたパック詰めのくさやです。使われている魚は、多分アオムロだと思われます。

他のもので例えるなら、よくコンビニにおいてある細長いカルパスみたいなイメージと捉えてもらうとわかりやすいかなと思います。まあ、カルパスよりもボリュームありますがね。

とりあえず、ジェットフォイルに乗る前に一本入りのくさやを酒とともにいただきました。久しぶりに食べましたが、見た目と匂いに反していいお味です。初心者はこのタイプから食べるのが一番いいと思います。

家に持って帰って、自室のベランダで焼いてみたときの様子です。

ここでは、カセット式のガスコンロに100円ショップで買った折りたたみ式の網を乗せて焼いてみました。

くさやの食べ方として、素焼きしてからそのまま食べるのが良いとされます。もちろんそのまま食べようと思えば食べられるのですが、一度火を通しておくことをお勧めします。

背側は7分焼きで、腹側は3分焼きであまり焦がさないようにして焼くのが良いとされます。焼いたら熱いうちに細かくちぎるのがポイントです。そして、細かくちぎったものを食べます。

ちぎったくさやはそのまま食べてもいいですし、清酒・みりん・醤油・酢・砂糖などの好みに応じたタレの中につけて食べたり、マヨネーズでつけて食べるのもありかと思います。また、お茶漬けの具としてくさやを入れても美味しいかもしれませんね。

伊豆大島から買って帰ってきたくさやの写真です。こちらは、「くさや藤文」で買ったアオムロです。100円ショップで買った紙皿に入れてみましたが、大き過ぎてはいりきりませんね・・・。

細長い皿(長方形の皿)なら入るかもしれませんが・・・。焼く前のくさやの臭いはなんというか個人的には心地よい臭いがしますw

アオムロはくさやの材料の主力となる魚で、伊豆諸島どの島に行っても必ずあるラインナップです。

ちょっと焦がし過ぎてしまいましたが、ある日の酒クズで食べたくさや(ムロ・アオムロ)です。前述の通り、カセット式のガスコンロに100円ショップで買った折りたたみ式の網を乗せて焼きましたが、フライパンを使うか、あとはアウトドア用のバーナーで炙ったほうが焼きムラがなくてもっと美味しく食べられるのかなと思います。

あとは、七輪を使って炭火で焼くとさらに美味しいと思います。

くさやは、世界の臭い食べ物のランキングの第5位ぐらいの位置にあります。焼いていない状態ですと、納豆や鮒寿司以下の臭さですが、焼いたあとはズバぬけて臭くなります。ですから、換気は絶対しておきましょう。あとは空気清浄機も起動必須です。

参考までに臭い食べ物ランキングとして・・・

  1. シュールストレミング
  2. ホンオフェ
  3. エピキュアーチーズ
  4. キビヤック
  5. くさや(焼いた状態)

という順で臭いようです。なお、1位のシュールストレミングは、くさやの6.5倍以上の臭さを誇るようですので、相当ヤバいということがわかります。シュールストレミングも一度怖いもの見たさに食べてみたいんですがねw

こちらは、「げんろく」で買ったムロのくさやです。ムロと書いてますが、実際はムロアジのくさやです。他地域だとムロよりもムロアジといったほうが通じるかもしれません。

また別日に自室のベランダで焼いている時の様子です。室内で焼くと換気扇を回しても臭いがけっこうすごいので、くさやを焼くときは外で焼いてました。とはいえ、場所を考えないと近所迷惑になりかねないので、外でくさやを焼くときは周辺の環境を必ず確認しましょう。

わいの場合は、周りに高い建物がないし、幸いにも3F住宅の3Fに自室があるので気兼ねなくくさやを焼きましたw

ちなみに、くさやを焼いた後の100円ショップの網はすごくくさやの臭いがしみつきました。くさやを焼いた後の網は、くさや専用で使うか、それか捨てて新しいのにしたほうが得策だと思います。一人暮らしでそんなに気にしないのであれば、ボロボロになるまで使いまわしてもいいとは思います。

くさやを焼いた後の腹側の様子がこちらです。これくらいならまあ合格点といったところでしょうか。これを適当な大きさにちぎって食べます。骨は捨ててもいいですし、捨てずにカリっと焼き上げるか、揚げて酒のつまみにしてもよさそうですね。


ということで、アイモバリアルグルメツアー第四拾九回目、大島/新島エリアの「くさや」のレポートをお伝えしました。

今回は、くさやを求めて伊豆大島まで行きましたが、今度は元祖の新島とか伊豆諸島の南側でわりとくさやの生産が盛んな八丈島に行くのもありですね。島や店によって味が微妙に異なるくさやですけれども、くさやマニアの方は複数の島や店に行って色々と食べ比べてみるといいと思います。

ちなみに、くさやに慣れた方は、新島のくさやをチョイスするのが一番いいです。逆に、くさや初心者の方は八丈島のくさやをチョイスするのがいいと思います。伊豆大島はその間みたいなイメージで良いでしょう。

わいは基本的に好き嫌いがそんなにないタイプなので、今回取り扱ったくさやとかいう曲者でも難なく食べてしまいます。参考までに前はこんな曲者にも挑戦しました。(リンク先をクリックすると当該ページに飛びます)

そして、アイモバリアルグルメツアーの最後の曲者シリーズ「鮒寿司」もありますけれども・・・。早く食べに行きたいわ・・・。

さて、次回のアイモバリアルグルメツアーは、菓子系のシリーズにしまして、泉北エリアのアイテムを取り上げたいと思います。

あまり過度な期待はなさらずにお待ちくださいね。


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